石川の海で石拾い、エッシャーとバベル石 |思い出その百二十二|

石拾いの旅|石川県の海岸

ANDOよ。ああ、チャリズムANDO。
日は傾き、あとどれだけ石探しができるのかわからない。だが、この石川のロケーションと石は間違いなく素晴らしい。
三箇所目の石スポットに到着。

石好きださんのおかげでこの短時間に素晴らしい石スポットに訪れている。あてもなく海岸沿いに車を走らせ石を探し続けていてもいい石は一つも見つからなかっただろう。感謝感謝石好きださんに感謝。一体どれだけの修行を積み時間をかけることでこの素晴らしい石スポットに行き着いたのだろうか。
それは石好きださんの紛れもない、圧倒的な石への執着心が突き動かしたのだろう。そして今日もどこかで石を拾っているのか。

ANDOよ、君にどれだけの石探しの力があるのかは分からない。TADAのように石に祝福されるのか、サラブレッドKのように圧倒的なポテンシャルとセンスで奇跡の石を拾ってしまうのか。もしかして、考えたくもないが石悪マシューのように石ダークサイドに落ち、石を投げ捨てる日々を送るのか。
今日の石拾いで全てが決まる気がしている。

なぜここまでチャリズムANDOの行く末が気になるかというと、彼は旅慣れているからである。そして心から旅を愛しできることなら働きたくない。ずっとどこかを旅していたい。がさつな部分が改善されたら私の石の旅の同行者として、そして石の同志として、これほどしっくりくる人間はいないのだ。いつかはチャリで日本中、石拾いの旅をするのも悪くない。

石神様、この世のみんな、石の人とANDOに少しずつ元気とお金を分けてください。石拾いをしながら永遠と旅をする人生。私とANDOは夢見ながら石を拾う。

急に現れた長い石。こんなに大きく長い石は初めて見た。前の海岸の壺石、珪化木の数、ほかにこんな石の海にであったことがない。素晴らしい海岸だ。

90度回転するとさらに細長い印象に。ちょっとうねりがあり、芋虫のようだ。動き出しそう。

ただこの石、あまりに大きい。私の石の大きさの基準である鶏卵前後のサイズ感を大幅に超え、横向きの卵四つか五つ分ほどある。だめだ。大きすぎる。持ち帰れば必ず後悔するだろう。たが、持ち帰らないことでおきる後悔があることも知っている。持ち帰った後悔は、元の海に返せばいいだけだ。
しかし持ち帰らなかった後悔は、もう取り返しがつかない。二度とこの石に出会うことがない。
悩みに悩んだ末、置いていくことにした。

別れを惜しみ、無駄に写真を残す。

写真を残せば残すほど、のちの後悔が膨らんでいくというのに。

さようなら。細長い石。

また突然へんてこな石が現れた。ANDOが見つけた。ぎゅるぎゅると目玉のような模様の入った呪術的な石だ。なんだかちょっとただならぬオーラを感じる。そしてこの石も大きい。怖さもあるので置いていくことにする。

この海岸の石、層状になったものが多い。福井のよく行く海岸にもこのようなタイプの石が落ちているが、ここの石はさらに層が強調されている。
それにしてもANDO、大きな石ばかり拾って見せてくる。ほどよいサイズは伝えてあるはずなのに全て無視して持ってくる。だめだ。いうことを聞かない。豪快すぎる石拾い。石に面白みはあるのに惜しい男だ。

石を選定するために並べてみた。こちらは、置いていく石だ。これでも十分良い。他の海岸だったら持ち帰りそうな石がいくつかある。

そしてこちらが選ばれた石。美しい。うねりと層、色味も渋くて趣深い。石好きださんが好きになるのがよくわかる。そしてサラブレッドKも好きになるだろう。ここでも珪化木も二つ見つけてしまった。すごいぞ石川の石の海。
層の石は段差になっているものもあり、とても興味深い。

あと一つ追加。おそらく車に戻るまでの間に見つけてしまったのだろう。
ANDOは拾った石をもう見せてくれなかった。早くも石にあきているのかもしれない。いや、私が文句を言いすぎたのかもしれない。大きいとかなんとか。なにやら嫌な予感がする。マシューの再来。考えたくもない。

さよなら海岸。なかなかここまで来ることがないと思うので名残惜しい。だがそろそろ行かねば残りの石スポットを素通りすることになる。それだけは避けたい。


海で拾った石|石川県の海岸

拾った石はこんな感じ。
渋い。改めて撮影してみると、こんなに暗い色だったかなと思う。いや、ただ写真が暗いだけなのかもしれない。そんなことはない。色も暗い。

別のカット。全ての石に古びたお寺やお地蔵さんのような、しみじみとした味わい深さがある。この感じ、とてもいい。SNSであまり映えないので反応はよくないのだが、石の良さとはこのことで、この趣深さに真髄がある。なので石好きださんやサラブレッドKのほうが真の石好きではないだろうかと思うのだがもう考えたくない。

鯨のような形の珪化木。

中心の三角の石が可愛らしい。

層状になっており、真ん中の段が内にえぐられ不思議な形になっている石。

ワープワープな、うねりの模様が特徴的な石。粒子感のあるグラデーションも相まってとても美しい。

お地蔵さんのようで心が落ち着く石。

層が段差になり、迷宮のように入り組んでいる。エッシャーの騙し絵のような石。

平たい石。水切りに向いているのだろうか、それともこれでは薄すぎるのか。わからない。

ぎゅるぎゅる目玉のような石。呪術的。先ほどの石は大きすぎたがこちらは小さいので選ばれた。また、模様もそこまで怖くない。怖さや存在感、圧力といったものは、石の大きさも関係してくるのかもしれない。当たり前のような気もする。

またまた層状の石。そして、何か建造物のよう。バベルの塔。素晴らしい造形である。
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チャリズムANDOとの石ころ探しの旅はあと少し続く。

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