石日記を書き終えて |石世界004|

石日記を書き終えて。
本当にこれを書いたのは私なのだろうか。
もちろんキーボードを打っていたのは私だ。推敲もした。消して、書いて、また消した。それでも完成した文章を読むと、自分が書いたというより、石拾いという時間が勝手に言葉へ変わったような感覚が残る。違うか。

石日記は、出来事を記録するために書いているわけではない。(それもある)
私が書いているのは、その時、自分が何を見ていたのかという記録なのだと思う。石を見ているようで、景色を見ている。景色を見ているようで、自分の記憶を見ている。記憶を見ているようで、感覚を眺めている。だから石日記を書いていると、自分でも思っていなかったことが突然現れる。
私は書いているというより、言葉がどこからか転がってくるのを待っている。

ころころころ〜

途中で予定していた内容から外れることも多い。(ほぼそう)それでも、その寄り道の方が本当の石日記なのだと思う。石拾いも同じだ。目的地へ向かうより、途中でしゃがみ込んでしまう時間の方が、あとから振り返ると強く残っている。帰り道の方がいい石が拾える問題。(どんな問題)
石拾いを始めてから、世界の見え方が少し変わった。海岸だけではない。街を歩いていても、壁やコンクリートや古い建物を眺めてしまう。何気ないものの表情を探す癖がついた。たぶん石日記も同じなのだ。文章を書くことではなく、世界を見るための方法になっている。そうなんか。

もし石日記を読んだ誰かが、道端の石を一つだけ認識したなら、それだけで十分だと思っている。拾わなくてもいい。「あ、石だ。」その一瞬だけで、昨日までとは少し違う世界になるかもしれない。

不思議なことに、何年書いても石のことは説明できる気がしない。むしろ書けば書くほど、わからなくなっていく。だからまた書く。石日記は、答えを書く場所ではなく、問いを書き続ける場所なのだと思う。まあただの石なんだが。

さようなら。また会う日まで。またどこかの海で。

 

 
 
 

おそらく石日記は終わらない…!
いつの日か始まる石日記に乞うご期待。(始まるの?)

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