Stone World
Observe one stone, time for the stone.
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マダラウミウシを思わせる佇まい。青みを帯びた灰色の呼吸のような気配、表面を漂う茶色の小さな星座たち。福井の海岸の石。




溶けた。いちごミルクキャンディのよう。外側は濃厚ミルク、内側に沈むのはいちご。噛めば割れてしまいそうで、永遠に割れない。福井の海岸の石。




白い夢の蝶。追い続け迷い込んだ薄明るい部屋。青緑。小さな太陽のようなものが浮かんでいるが何かわからない。蝶はこの何かに魅せられているようだった。神奈川の海岸の石。




白まいたけのよう。半透明と白のバランスが絶妙。福井の海岸より、瑪瑙のかけら。




雪積もる川縁の岩肌のよう。緑がかった薄い灰色に白のコントラストが実に美しい。神奈川の海の石。






犬ころのぬいぐるみのよう。何犬?グレーにブラウンの耳と鼻がおしゃれ。福井の海の小石。




柿のよう。甘く甘く熟した果肉。ペールオレンジの中に透き通るディープオレンジ。福井の海岸の石。




ボルドーの空にオレンジの流れ星。遠くにぼやけた蛍光グリーン。あれはなんだ。たぶん別時空へのゲート。福井の海辺の小石。




雲と雲の間。サーモンピンクの夕焼け。この空が知らない何処かに繋がっていると想像する。本当にそうかもしれない可能性にかける。神奈川の海の石。




おきあがりこぼしのよう。白と透き通るペールオレンジが美しい。瑪瑙。神奈川の海岸だったと思う。




深い紺碧の森に白い羽の蝶が飛ぶ。いつかの残像。
遠い記憶のなかに儚く生きる。神奈川の海の石。




白い雲の卵。まだ形を持たぬ夢が、ゆっくりと内側で生まれようとしている。世界のはじまりに近い静けさ。たしか福井の海で拾った石。




宇宙の暗闇を走る閃光。マットなブラックに白線のコントラストが美しい。三重の海岸の石。




綿菓子のような白い宇宙のもやもやが、オレンジベージュの空想果実をワープさせてすぐに弾けた。記憶は霞む愛知の海の石。




灰色の地に二本の黒線が走る。大地を縫う川の流れのよう。 石拾いの心を、はるか遠くへと導いてゆく。三重の海岸の石。




灰色の夜空に散らばる星々のよう。黒点は秩序を持たず漂いながらも、ひとつの宇宙を描き出す。 掌に収まる小さな石は、遥かなる星図を秘めている。 たしか三重の海岸より。




西瓜のよう。海が育てた果実。波にもまれ、光を吸い、石になった夏の記憶。黒と灰色のコントラストが美しい、三重の海の石。






砂漠に開いたワープホール、未知の地平を照らす夕陽のよう。愛知の海の石。




氷のような塊に、
遥かな風景が封じられている。
幾層にも重なる白の静けさ、
ほのかな透明が、時間を映す。
たぶん福井の海の石。




夜の片隅に、欠けた月がひとつ。
石の中で、静かに光っている。
たぶん神奈川の海の石。記憶が曖昧。




陽に焦がれ、砂はゆるやかに流れた。
とおく蜃気楼がゆれ、土と空との境もとける。
この静けさに、風さえも立ち止まる。
愛知の海の石。




淡い赤と白が溶け合い、名もなき星雲のように揺らめいている。この小さな石の中に、銀河がひとつ眠っているのかもしれない。誰かの記憶、まだ言葉にならない宇宙のかけら。福井の海の石。




まぶたの石。眠っているよう。
うす紅、乳白、かすかな黄。
やわらかな夢が通りすぎたあとの
静かな温度。
愛知の海の石。




すももが、ひとつ
砂の上で眠っていた。
果汁のかわりに
塩気をまとって、
風に撫でられながら、
そっと石に変わっていた。




波に洗われて、誰かの秘密だけが残った。口を閉ざしたまま、何百年もそこにいた仮面よう。マットなグレーが美しい。何の顔だろうか。何を見てきたのだろうか。愛知の浜辺で出会った、沈黙の石。








ふるさとの夕焼けを、ひとしずくに閉じ込めたよう。淡いピンクとグレーがとけあって、懐かしい空の色になった。ふれるとあの日の風が戻ってくる。遠くにいても、心はあの浜辺にいた。神奈川の海の石。




雲の切れ間からこぼれ落ちた、ひとしずく。眠る山の吐息のよう。やわらかなグレーの流線が、静かに語りかけてくる。拾ったのは、あの日の風の中。愛知の海の石。




海底にたゆたう海鼠。あるいは夜空に降る雪。
静かなグレーの世界に、白い点がふわりと浮かぶ。
どこかの星の夜を、丸ごと拾ってきたような、神奈川の海の小石。








まるで誰かが、こちらをじっと見つめているよう。
淡いベージュに滲む青、中心にぽっかりと浮かぶ円。
遠い惑星か、深海魚の目か。
気がつくと、こちらも見つめ返していた。
あなたには、何が見えるか。




遥か彼方の恒星系にある惑星から見た風景。夕焼け空に浮かぶ白い星々とそれを映す湖。オレンジブラウンの濃淡が美しい。他の知的生命体も石を拾うのか。交換しよう。愛知の海岸の石。




クのよう。夢を食べる小さな石。美しい。かわいい。黒と白のコントラストとフォルムが絶妙。再び撮った、神奈川の海岸の石。






米のよう。長い米。ビリヤニを作ろう。真っ白でさらさらな表面が美しい。愛知の海岸の小石。




多肉植物のよう。やさしいフォルム。深い緑と淡い緑のコントラストが美しい。神奈川の海岸の石。




黄昏時の水平線のよう。船のよう。ホワイトとブラウンの境界が少し滲んで心に沁みる。愛知の海岸の石。




歪んだ空間に謎のゲート。何処かの星に通じているのかもしれない。ブラウンとチャコールグレーのコントラストが美しい。青森の海岸の石。




遠い何処かの惑星のよう。地球よりも遥かに文明が進んでいて、地球よりも環境がいい星。そんな希望の星があるかもしれない。ペールトーンのオレンジとグリーンが美しく混ざり合う、愛知の海岸の石。








天に浮かぶ羽のよう。鳥かはたまたペガサスか。土星の輪から衛星を見ている景色にも見える。ホワイトにかかるライトブラウンの流れが美しい。愛知の海の石。




小さな茄子の漬物のよう。度々見つかる茄子シリーズ。他の何かに見えるような気もするが、わからない。紺色と肌色のコントラストが美しい。神奈川の海の石。




コーラグミのよう。まるまるかわいいAの形。半透明のブラウンとホワイトのうねりが美しい。神奈川の海の石。




静かな池に薄く張った氷のよう。ひんやり空気に鳥がさえずる。ダークグリーン、ペールグレイッシュトーンのライムとピンクのグラデーションが絶妙。神奈川の海の石。




牡丹雪降る夜のよう。深い青緑に散らばる白や薄緑の丸模様の間が美しい。神奈川の海の石。




何処かの星の過酷な環境で生きる微生物のよう。半透明のべっこう色がなんとも美しい。神奈川の海の小粒な瑪瑙。




よるのねこのかおの絵。月夜に照らされ何処へ行く。にゃあにゃあ声が聞こえる。たぶん神奈川の海の石。




シルエットがウツボカズラのよう。半透明の白が美しく、ボコボコ空いた穴が面白い。青森の海の瑪瑙。




梅干しのよう。米が欲しくなる故郷の味。艶のある渋めの赤が美しい。神奈川の海の石。




夕暮れ時、上空に突如現れたブラックホール。素粒子実験によるものか。あるいは異世界からのコンタクトか。ダークグリーンの円と帯、ペールトーンのピンクとライムの調和が儚く美しい。神奈川の海の石。