三重三重三重の海岸で石拾い、やる気のない同行者に石の初心を少しだけ思い出す |思い出その百三十の一|
2023年5月26日。
ここはどこだ。
三重だ。
そして隣にはANDO。
ANDOの車に乗っている。
強制的石拾い同行。

今日は初めて自分のためでなく、人のために石を拾う。
とあるプロダクトの枯山水ディスプレイ用の石を。

プロダクトを上に乗せるため、できるだけ、平たい石が好ましい。
大きくて、平たい石は普段あまり拾わない。
小さくておはじきのような平たい石は好みなので、福井でよく拾うことはあるが。

さてさてさーて。今日もあまり天気が良くあらへん。
前回石拾いのTADAとの福井から引き続き、石の初心がぶれぶれである現在。

みなさんANDOはご存知だろうか、石川への石拾い。
( ANDO登場→ https://note.com/ishitoumi/n/n0cd4d0292539 )
自由奔放でがさつな、あいつだ。そして忘れてはならないのが彼の水の消費量。過剰な水分補給によりガロン単位で消える水。
水中毒者とは彼のことだ。

ありがたいことに今日は三重まで私を運んでくれる。
半強制的ではあるがまあ暇でしょう。

なんとかならないのかこの天気はと思いながら、ANDOと仕事について話し合う。

まず大前提として働きたくない。
残業なしとかやりがいとか、そういった類の話ではない。
シンプルに働きたくないのだ。ANDOも私も。

無理だ。

彼は何度か転職しているが、しっくりこないらしい。
水の消費量により、ウォーターサーバーが消滅し、肌に合わない営業職で問題を起こしてというか、ストレスがたまり自ら退職する。
何回か転職して導かれたシンプルな答えがここにある。
社会人が向いていない。(いわゆるサラリーマン的な社会人)

友達は多い。コミュ力はある。
なのだが自由奔放でがさつすぎたのだ。
日本社会において、彼の振る舞いは許容値をはるかに超えていた。

ああ、誰かANDOに仕事をあげてください。
毎日旅をして日記を書く。それだけの仕事を。
かつて大学生時代のチャリズムなるママチャリ旅チームの活動を、初老になるまで続けさせてやってくださいませ。

無理だ。

彼にそんな需要はない。
がさつだからだ。

おそらく、Youtubeをやってもファンがつかないだろう。残念ながら。

自分で動画編集もできないだろう。面倒だから。

だから彼には早急に、純粋なパトロンが必要なのである。

ANDO、ANDO、このままでいいのか。

人の心配をしているほど、私の人生も甘くはなかった。
できれば石を拾って旅しているだけで暮らしている世界線に切り替えたい。
可能なのか。

難しいかもしれないが、あきらめない。
それだけは諦めない。

今の職も楽しい、人もいい、環境も不満はほぼない。
だが試してみたいのだ。ただただ石だけを拾う堕落した無意味な人生を。

頭がおかしくなるかもしれない。
だったらそこで辞めればいい。
頭がおかしくなる生活の話となれば、384という男がいて、
彼はその辺りの精神が異様に強靭で、今までに二度、1年間の無職を経験している。
一度目はブロガー的な仕事をしていて少し稼いでいたが、二度目は完全な無職である。
無。

そんなことあるんか。
ある。
ある日東京出張のついでに384の家を訪ねた。
最近何をやっているのか聞いてみた。
ずっとマイクラ。一ヶ月。

そんなことあるんか。

とりあえず腹が減っては石も拾えないので、昼食をとることにする。
ラーメン屋にて、お刺身セットなる贅沢ランチ。これが石川のスタンダードなのか。そうなのか。
違う。
写真も反転するほどの喜びだ。

ここのラーメン、何か特徴があったはずなのだが、全く思い出せない。
出汁に、何かこだわりが。
なぜだ。記憶力が衰え過ぎている。
最近Youtubeで観た。大人になると、経験したことが多くなり驚きが少なくなる。喜怒哀楽の伴う記憶は強く残るらしいが、それが絡まないと忘れるらしい。刺激的な毎日を送ることで日々は長くなり、凪の生活を送ればサンダーボルトに時間が過ぎる。
石拾いの旅|三重県の海岸

気がついたら海岸についていた。
ありがとうANDO。
ここの石はこんな感じ。
グレーグレーグレー。耳タコフレーズで申し訳ないが、ここは間違いなく一見駐車場的海岸である。

この海岸、先日(と言ってもずいぶん前だが)書いた石好きださんと訪れた海岸である。
その時は、石好きださんという石好きの方と石を拾うことで、あまり駐車場的認識はなかったのだが、石に興味がないANDOなどと来てしまうとなにやらただの石ころに見えてしまう。
いや、全部ただの石ころではあるのだが。

しかも、ANDOと前回行った石川にある不思議な石たちとは違い、ここにある石群は本当に、なんと言ったらいいのかそこら辺にある石と思われても仕方ない、石好きしかわからない平凡ないしなのだ。

ざざざん。ざーん。

ころ〜

ころころころ〜

ひたすらに石を拾う時間。

そうだ。今日は石ミッションがあるのだった。
平たい石を探すミッション。

探し始めて気づいたのだが、平たい石は少ない。どこにあるんや。
しかも、グレーでなく、枯山水的ディスプレイ全体のトンマナからしてベージュっぽい、あるいは薄グレーの石が必要である。

そしてまたここで気づいた。
自由に石を拾うのではなく、初めから目的のある石拾いが、なんとも難しい。

自然を相手にしているからして、目当てのいしがごろごろ転がっているわけでもなく、これは終わりのない修行の始まりでなる。

これはかなり石の心に負荷がかかる。

目がぼやけてきた。

気づけば移動していた。

どこへ行くANDO。
私は一度休憩する。
ごきげんよう。
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