ちょっと道草、岐阜県の川で石拾い |思い出その五|
石拾いの旅|岐阜県中津川
2015年10月のいつか。
三重、静岡、新潟、富山と、立て続けに海に石拾いに行ったので、少し休憩をしていた。
、、、。
ああ。
数日でまた石拾いがしたくなる。一度石拾いが習慣になるともう止められない。
しかし、特に旅行の予定もなければ、石のために旅をするのもなんだかなあ。
僕は名古屋に住んでいるのだけれど、近場で石が拾える場所がないかグーグルMAPとグーグル検索で探してみた。
愛知の海、愛知の海、愛知の海は、、と。
ない。
調べる限り愛知の海に良い石が拾えるスポットなどひとつもない。
どれだけ調べてみても良い石がありそうな海岸がない。
そもそも愛知にきれいな海は知る限り無い。
「良い石はきれいな海にしかない」と勝手に決めつけ、愛知の海は候補から外す事にした。
次に三重も探してみたのだが、これまたない。
実家が三重なので大体の三重の海事情は知っている。
三重の北端から伊勢、鳥羽、までの海はそんなにきれいじゃない。それより南下すればあるのだが(熊野あたり)、名古屋から結構な距離になってしまう。
では静岡。石の海岸があるのはおそらく最短でも御前崎。遠い。しかもデザイナーEのテリトリー。
うーん。
なんてことだ。
名古屋を拠点にすると、近場には一カ所も石拾いができる海がないのか。
こうなったら、海をあきらめるしかない。
川だ。
海にある石は川から流れてきたものだ。
だったら川にも良い石ころがあるんじゃないか。
石の趣味である、水石(盆石、鑑賞石)、鉱物収集をする人々は山や川に行くと聞く。
・水石入門マニュアル
・NHK 美の壺 水石
よし、近場のきれいな川に行くとしよう。
そうして決まったのが、岐阜県は中津川。
なのだが、ここでこまった。いままでは、名のついた海岸を目指し、そこで石を拾ってきた。
しかし川は、山からずーっと海までつながっている。
一体どこで拾えば良いのか見当もつかない。上流?中流?下流?河口?全然分からない。
少し考えてみた。
まず上流は石がでかすぎる。岩だ。候補から外す。
下流は結構拾いやすそうなイメージだけど、住宅や工場が増えて川が汚くなる。汚い川には入りたくない。また下流は川の流れで石がそこそこ磨かれて、海に近い、丸みをおびた形になっているはずだ。せっかく川に拾いに行くのだから、海とは違う雰囲気を味わいたいなと思う。
(さっき海で探したい言うてたやんけ!)
とりあえず下流もなし。
河口は下流とほぼ同じ理由でだめ。というか河口があるなら、それはすぐそばに海岸があるということ。そこで拾えば良いだけの話。
残ったのは中流。
水がそこそこきれいで、石ころっぽいサイズの石(鶏の卵の体積くらい)があって、
景色もそこそこよく、自然と戯れることもできる。
上流と違って近くに駅もあるので電車でも行きやすい。
そうと決まったら、中津川の中流へ行くぞ。と意気揚々で電車に乗ったが、あいにくの雨。
でもへこたれない。
中津川駅で降りて、中津川まで歩いた。
黙々と雨の中拾った。
傘をさしながら冷たい川の中に入り、石を拾う。
澄んだ水の流れに揺らめく石達。雨が川に降り、跳ね返る水。
ポチャンポチャン。
悪くない。まったくもって悪くない。
いつもの石拾いと随分違う。
川という違いは大きいけれど、それより雨。
雨が降ると石拾い難度はぐんと上がる。理由は乾いた状態の石を見られないから。
あ、きれーい。と、うきうきしながら持ち帰っても、乾いた状態の石を目の当たりにして幻滅というのが大体のオチ。
でも今回はそんなものは関係なかった。純粋に石拾いが楽しかった。
きれいな水に濡れた石が澄んでいた。輝いていた。
小学生の頃、雨の日の運動場や公園で、水に濡れた魅力的な石ころを拾っていた記憶が蘇ってきた。
ああ。石拾いって素晴らしい。
さて、拾った石は、どんなんかと言うと。
川で拾った石|岐阜県中津川
はい、ほとんどただの石。
→いままでに拾ったいろいろな石
いいんだ。石拾い中は楽しかったから。
その時の記憶を呼び覚ますスイッチとなる石達。ああ素晴らしい。ふるさとの石達。
そして川の石は、少し凛としている気がする。
でも多分気のせいだろう。
結局は海の石も川の石も、拾った人の心に映し出される情景がすべてだ。
思い出を含めた一個の石ころなのだ。
そんな石拾いを僕はおすすめしたい。
石と海。
今回はなんだか石拾いの原点に戻れた気がした。
次回 思い出その六は、えっ!福岡に社員旅行!?これは行くしかない!デザイナー達による石拾いの戦い!!
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